(株)群馬銀行

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業種
金融

2025年8月1日

《群銀・深井頭取インタビュー (上)》第四北越FGと経営統合 両社の資源有効活用 システム移行、一体化目指す・上毛新聞(2025/7/31)より 

第四北越FGとの経営統合の判断をした群馬銀行の深井彰彦頭取に、経緯や効果、意義や展望などを聞いた。一問一答は次の通り。

―進捗(しんちょく)状況はどうか。
5月に私と第四北越FGの殖栗道郎社長を共同委員長とする統合準備委員会を設置し、毎月会合を開いている。6月からは実務担当者による部署ごとに10の専門部会の協議が始まった。両社の事務局は都内で毎週打ち合わせをしている。
―経営統合を決断した背景を教えてほしい。
第四銀行(当時)の呼びかけで2020年に地銀連合「TSUBASA(つばさ)アライアンス」に参加した。個別の提携も誘われ、連携協定を結んだ。社員研修のほか、23年に高崎市田町に初めての共同店舗を開業した。24年に当行の「群馬銀行池袋ビル」(東京都)に第四北越銀行池袋支店が入居した。第四北越銀は、為替リスクヘッジなど特に法人向けのソリューションビジネスが強い。連携で当行の非金利業務利益が伸びた。
連携協定では、両行で5年間で見込んだ80億円の収益効果を3年間で達成できた。親和性が高く、行員同士の雰囲気も良い。昨年11月に私から打診し、第四北越FGの殖栗社長と面談した。
―見込まれる効果は。
一つの経営体として経営計画を統一し、資源配置を見直すことで両社の経営資源を有効活用できる。当行が営業エリアとする関東と新潟の顧客基盤が拡大することで収益力の強化につながり、財務が安定する。情報量が増え企業のマッチングや事業承継に対して充実度の高いサービスが展開でき、新たな事業領域へのサービスの可能性も広がる。
当行は東京圏や海外市場に貸出の営業能力がある。信用リスクなどの管理を通した高い資本効率の経験も共通化したい。第四北越FGは非金利収益を生むコンサルティングノウハウを持つ。補完性が高く、新商品やサービス開発で収益力が高まる。
―効率化やコスト削減に向けてどう取り組むか。
単独運用する勘定系システムを共同化する。29年1月以降、第四北越銀など5行が利用する「TSUBASA基幹系システム」の移行を検討している。将来的にさまざまなシステムを統合して一体化を目指す。
―新潟県での展開は。
同県への出店や人員配置は計画していないが、第四北越FGから相談があれば協力する。新幹線や高速道路でつながり、アクセスが良い。日本海に物流の輸出拠点を設けるなど、群馬県内企業の要望も想定されるので対応していきたい。