2026年4月3日
低軌道宇宙ごみ観測 IHIエアロ(富岡)と仏企業連携・上毛新聞(20264/3)より
宇宙関連事業を手がけるIHIエアロスペース(IA、富岡市藤木、矢木一博社長)は2日、フランスに本社を置く宇宙大手アリアングループと「スペースデブリ(宇宙ごみ)」を含む物体観測で連携すると発表した。兵庫県相生市に設けた共用観測所を運用する。IAがこれまで行っていなかった低軌道上の物体に観測対象を広げ、宇宙の利用拡大や安全保障に生かす。(関連記事 2面)
◎兵庫に共用観測所安全保障など活用
IAは宇宙ごみなどを観測、軌道を解析する「宇宙状況把握(SSA)」に関する事業を展開し、南牧村と相生市に観測所を持つ。現在は気象衛星や放送衛星などが周回する高度約3万6千キロの静止軌道を観測しているが、同グループとの連携で高度200~1千キロの低軌道にあるデブリなどに対象を広げる。
相生市の拠点に既に同グループとの共用観測所を建設しており、都内で1日、運用に関する契約を結んだ。観測データは両社がそれぞれ活用し、IAはデータ提供サービスに加えて観測システムを提供する事業も視野に入れる。アリアングループは自社のSSAネットワークの強化につなげる。
宇宙ごみは使用済みの衛星やロケット、破片などで、地球の軌道上を高速で周回し、他の衛星との衝突や地上への落下が脅威となっている。米企業スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」をはじめ宇宙利用が世界的に加速する中、低軌道衛星やデブリも増加。インフラ維持や安全保障の観点から対策が重要となっている。
契約を締結したIAの仲俣千由紀会長は連携について「日本の観測能力向上と、日仏間での国際協力にも資する」とコメントした。同グループのクリストフ・ブリュノーCEOは「ネットワークの観測範囲を広げ、観測能力を強化するものだ」と期待した。
宇宙分野の日仏連携を巡っては、高市早苗首相と来日したフランスのマクロン大統領が2日、宇宙ごみの対策事業を手がける都内のスタートアップ(新興企業)を訪問。1日の首脳会談では民間を含めた協力の重要性を確認している。
