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2026年7月31日

《インタビュー》桐生信用金庫 増山馨介理事長・上毛新聞(2026/7/28)より

桐生信用金庫(桐生市錦町)の理事長が12年ぶりに交代し、創業家出身の増山馨介氏(47)が新理事長に就任した。東毛地域は、本県経済を支える製造業の集積地。歴史的な円安や物価高の影響を受ける中小企業を支えるため、膝を突き合わせる営業に力を入れる。
―新理事長としての抱負は。
「共存共栄」「相互扶助」という創業の精神を、いかに実践するかが問われている。人口減や後継者不足といった企業の課題解決を手伝うことで、よりよい地域づくりに貢献したい。
―東毛の景況をどう捉えているか。
四半期ごとに取引先約590社の協力で景気動向を調べているが、今後も厳しい状況が続くとみている。地方の中小企業にとって価格転嫁は難しい上、賃金のベースアップも求められている。
地域ごとに産業構造が異なるが、それぞれの課題に対して他の地域の成長を取り入れることが大切だ。繊維業の多い桐生市と製造業の多い太田市では業種は違うが、「経営改善の手伝い」という共通点は変わらない。
―利益を上げるための施策は。
利益の追求が第一の目的ではない。預かったお金を地域に還元するという使命の下、資金需要にしっかり応えたい。信金の良さを生かし、フェース・トゥ・フェースの営業を実践する。地域応援部では、営業店から企業の課題を吸い上げ、本業支援に取り組んでいる。
―信金業界の現状と展望は。
少子高齢化や地政学的リスクの高まり、金利ある世界の到来で大きな変革期にあり、信金の存在価値は高まっている。全国の信金ネットワークや、関東の信金など7社で結んだ広域連携などを活用し、外部の成長を取り入れていく。一方で金利が上がり、預金の獲得競争が激化しているのは確かだが、単に他金庫と経営統合して規模を大きくすればよいというものではない。
―若手の育成にも力を入れている。
2年前から「エリアマネージャー」という中堅職員が若手を指導する体制をつくった。同行訪問なども行い、将来の成長につなげる。
―金融マンとして、思い出深いエピソードは。
20代の頃、パン店の融資を担当した。オーブンと生地こね機が同時に壊れて入れ替えが必要になったが、売り上げが振るわず審査担当から難色を示された。製造現場を見て、商品を買って食べ、設備導入の効果や経営改善を一緒に考えて資料を作り上げた。脱サラして職人となった店主を応援したい一心だった。金額が大きくなくても、時間をかけて寄り添う。それが信金の仕事だと思っている。
(金子雄飛)

【略歴】
ますやま・けいすけ 桐生市出身。早稲田大大学院修了。2003年かんら信用金庫(現しののめ信金)入庫。15年に桐生信金入庫、伊勢崎東支店長や総合企画部長兼秘書室長などを経て、6月22日から現職(7代)。父は3代理事長の故・公男氏。