2024年3月7日
日産とGNHD、全国先駆け EVの蓄電池で電気使用効率化 施設に導入 ▪上毛新聞(2024年3月7日)より
日産自動車(横浜市、内田誠社長)と、群馬日産自動車などを傘下に持つGNホールディングス(前橋市城東町、天野慎太郎社長)は6日、電気自動車(EV)を活用し、電気使用量を効率的に管理するシステムを市内の同社施設で1日から導入したと発表した。全国に先駆けた取り組みで、太陽光発電と組み合わせて電気料金の削減や災害時の非常用電源に役立てる。「走る蓄電池」としての付加価値を提案し、本県でEV普及を加速させる。
導入した「ニッサンエナジーシェア」は、EVの充放電を自律的に行い、太陽光発電の電力を有効利用して電気料金を抑える。同システムでは太陽光パネルで発電した電力を消費電力の一部に充て、余剰電力はEVに蓄電する。電力需要が増えた時間帯にEVから施設へ給電することで電気使用量のピークを下げられる。
施設の管理システムが電力使用状況や車両のバッテリー残量に応じ、自動で目標電力に管理する。太陽光発電は、気象条件で発電量にばらつきがあったが、EVの補完で電力の安定化につなげる。災害や停電時には非常用電源として活用でき、同施設や移動先の避難所、地域イベントへの給電に役立てられる。
同システムは1日、車両整備などを担う群馬日産の品質保証センター(前橋市)と、広島大(広島県)で稼働した。同センターは太陽光パネル約200キロワットとEV「日産リーフ」5台、制御装置などを備える。両社によると、施設の総電気使用量のうち年間65%を自家消費できる見込み。
GNホールディングスは2050年にカーボンニュートラル達成を目指す脱炭素戦略の一環で、日産のサービスを全国に先駆けて導入した。今後県内店舗への導入も検討し、再生可能エネルギーの活用を進める。
同システムは日産が法人や自治体向けに販売している。天野社長は、蓄電池としてのEVの利点を生かせるシステムと説明し「EVはエネルギーコスト解決の一つの解と考えており、群馬の経済に貢献できる」と力を込めた。