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2024年5月3日

《県内企業採用アンケート(4)》売り手市場、企業側が配慮  オンライン導入77.7% 2割が親への確認対策 ▪上毛新聞(2024/05/03)より

上毛新聞が行った2025年春の新卒採用計画アンケート(121社)で、説明会や選考といった採用活動にオンラインを導入している企業の割合は、前年調査比0・2ポイント減の77・7%とコロナ収束後も定着していた。「親が反対している」との理由で学生が内定を辞退する「オヤカク」(親への確認)対策を講じる企業は5社に1社が対応。学生に就職活動の終了を強要する「オワハラ」などの言動に対して94・2%が注意を払っているとする。学生優位の「売り手市場」が続き、企業側の配慮が進む。
説明会や選考に、コロナ禍で普及したオンラインを導入している企業にメリット(複数回答)を尋ねたところ、「遠方に住む学生に対応しやすい」82社(87・2%)が最も多く、「応募数の増加が見込める」40社(42・6%)が続いた。
一方、オンラインを導入していない企業は20社。理由(複数回答)では「対面でないと判断が難しい」17社(85・0%)が圧倒的に多く、「画面越しの採用活動に抵抗」5社(25・0%)などだった。その他の回答として原則対面だが、必要に応じてオンラインで対応する企業もあり、柔軟な採用方法が浸透する。
就職に対して保護者の存在が大きくなっているとして「オヤカク」対策に25社(20・7%)が取り組む。具体的には「入社誓約書に保護者の署名欄」「家族向けにパンフレット作成や手紙の送付」「保護者向けにセミナーや会社説明会の実施」「自宅へのあいさつや役員の家庭訪問」などを挙げる。親の理解を得ながら、売り手市場による内定辞退の回避に努めている。
面接時の不適切な質問や「オワハラ」など、採用活動で学生にハラスメント(嫌がらせ)と受け取られる言動がないよう114社(94・2%)が注意を払う。
「採用担当者同士で定期的に禁止事項を確認」(卸・小売り)、複数社が「面接官に禁止されている質問や行動などの教育」「ハラスメント防止の研修に参加」といった事前準備をしている。「面接前に回答したくない質問には無理して答えなくていいと告げている」(卸・小売り)もあった。
オワハラを避けるため、「内定の承諾、辞退に期限を設けない」(サービス)、「できる限り学生の希望に沿った選考スケジュール」(建設)、「入社の意思を固めたら提出」(卸・小売り)など学生に配慮する。