2024年5月8日
東和銀が増収減益 頭取「デジタル化に投資」 ▪上毛新聞(2024/05/08)より
東和銀行(前橋市本町、江原洋頭取)が9日発表した2024年3月期連結決算は、売上高に当たる経常収益が前期比1・8%増の341億3800万円、純利益が13・7%減の35億3千万円だった。手数料収入に当たる役務取引等収益や債券売却益は増えたが、前年同期に保有不動産を売却した特別利益の反動減もあり減益となった。
本業のもうけを示すコア業務純益(単体)は7・5%減の49億4400万円で、有価証券利息配当金の減少などが響いた。営業利益に当たる業務純益(単体)は4・3%増の58億1300万円。経常利益は8・7%増の43億3500万円で、信用コストの低下などが要因となった。
貸出金残高は0・9%増の1兆5795億円、預金残高は0・4%増の2兆1534億円で、いずれも期末比では過去最高を更新。金融再生法に基づく不良債権比率は0・01ポイント悪化し2・49%。連結自己資本比率は0・37ポイント低下の10・06%だった。有価証券の評価損益は、米国金利の高止まりで148億円の含み損だった。
同日開かれた取締役会で安定的な配当の継続を基本とする株主還元方針を策定した。14日の公的資金完済を踏まえ1株当たり10円の記念配当を予定する。期末配当は当初予想の25円に加え計35円とした。
25年3月期の業績予想は連結、単体ともに経常利益20億円、純利益15億円と減益を見込む。県庁で開いた記者会見で江原頭取は、公的資金を完済するが、引き続き利益を積み上げていくとした上で「中期経営計画の初年度として、人的資本や業務効率化に向けたデジタル化へ投資したい」と話した。