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ファームドゥホールディングス(株)

2024年6月12日

県産コーヒー販売へ 鮮度高いすっきりした味 ファームドゥ、高崎でハウス栽培 ▪上毛新聞(2024/06/12)より

「食の駅」など農産物直売所を手がけるファームドゥ(前橋市問屋町、岩井雅之社長)は、グループ企業が運営するファームクラブ中里農場(高崎市中里町)でハウス栽培したコーヒーの販売に乗り出す。輸入のコーヒー豆と比べると、県産品は収穫から飲料として味わうまでの時間が短いことから鮮度の高い味わいが特徴。今後、同農場内のコーヒーの木を現在の1・5倍に増やし、県内の自社農場にも広げ、本格的な事業展開を見据える。

同社によると、国内でのコーヒーの商業栽培は沖縄県や東京・小笠原諸島などで広く実施されている。県内ではコーヒー製造販売の大和屋(同市筑縄町)の例があるが、県内では非常に珍しい。
同農場では2021年5月、再生エネルギーと農業を組み合わせた「営農型太陽光発電」のハウスで、コーヒーの栽培を開始。営農型太陽光発電に取り組むファームドゥグループのファームランド(前橋市問屋町)再エネ事業部の中山隼一課長は「コーヒーの木は直射日光を嫌うため、太陽光パネルの下での栽培に向く」と利点を強調する。
ハウスの広さは約3500平方メートル。沖縄県から苗を調達し、栽培の指導を受けた。赤い実を付ける「P88」「カティーモ」、黄色の実を付ける「イエローブルボン」など9種類540本を栽培している。
昨年初めて収穫に成功したが、量が少なく社内で試飲した程度だったという。今年は日々取得してきた温度設定や施肥などの栽培データを生かした管理作業をした結果、収穫量は4月中旬から5月末までで昨年比約6倍の12キロとなり、数量限定で販売するめどが立った。収穫後は、果肉を取り除き、乾燥や脱穀などの工程を経るため、コーヒー豆の販売は8月中旬ごろを見込む。
販売先は、焙煎(ばいせん)機がある食の駅吉岡店(吉岡町大久保)、所沢店(埼玉県所沢市)で100グラム当たり5千円を想定する。沖縄県産が同1千~6千円、小笠原諸島産が同1万円程度であることを示した上で、県産コーヒーの価値の高さをアピールしていく。
今後は、ハウス内の空きスペースに木を増やし現在の約1・5倍に当たる800本とし、県内の別の場所でも栽培に着手する。実の収穫から焙煎、試飲までできる体験型プランも計画する。中山課長は「収穫から口にするまで3カ月という短さは県産コーヒーだからこそ実現できる。鮮度の高い、すっきりした味わいを試してほしい」と話す。