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2024年8月2日

群銀・深井頭取に聞く 利上げ「大きな影響なし」 顧客の課題解決に力 ▪上毛新聞(2024/08/2)より

日銀が政策金利を15年7カ月ぶりの水準となる0.25%程度への引き上げを決めて一夜明けた1日、群馬銀行(前橋市元総社町)の深井彰彦頭取(63)が上毛新聞のインタビューに応じ、「金利ある世界」での本県経済について、個別にプラスとマイナス両面が生じるが、全体として大きな影響を及ぼさないとの見方を示した。地銀としての役割は金利での勝負ではなく、顧客ごとの課題解決に力を注ぐ考えを示した。

―利上げによる本県経済や為替相場への影響、預金金利の引き上げ予定は。
今回の利上げでは、基本的に大きな影響を及ぼすものではないと考えている。円安基調では、海外展開する大企業は収益が増す一方、数の多い内需型の中小企業や一般家庭は輸入物価の高騰が重くのしかかる。企業と家計にプラスとマイナス両面の影響があり、円安、円高のどちらが良いなどとは言えない。
利上げが実施されたので普通預金などの金利の引き上げを検討するが、現状はまだ何も決まっていない。
―地域金融機関としてどんな役割を果たすか。
金利よりも大きく影響を及ぼしているのは賃金、原材料、エネルギーだ。価格転嫁できなかったり、人手不足で思うように操業できなかったりといった経営課題を抱える企業も多い。利上げで返済に悩む企業や一般家庭を含め、改善に向かうためのお手伝いをしていくのが当行の役割だ。
―「金利ある世界」での同行のビジネスモデルは変わるのか。
「金利ある世界」になるが、金利の高い、低いで勝負したくない。お客さまに「どの銀行と付き合うのが事業にとって良いのか」を基準に選んでもらわないといけない。
当行は2024年3月期に過去最高益を出したが、要因の一つが、非金利業務利益を大きく増やしたことにある。かつては、金利に左右される預貸金と有価証券運用ビジネスが主力だったが、ゼロ金利政策で金利のない状況が続き、5年ほど前からコンサルティング業務における手数料収入の獲得に力を入れてきた。
―具体的な方策は。
お客さまとの対話から始まる「つなぐプロセス」を重視し、ゴールとニーズを共有した上で、最適な解決策を提示する。何でも話してもらう関係性を築き、課題を洗い出すことで、事業承継や人材紹介、ビジネスマッチング、補助金申請手続きといったサービスを一貫性を持って提供してきた。
顧客の関係では、5年後、10年後にどういう形になりたいかを知っている銀行であり続けたい。それにプロセスを通じて役に立つことができ、同時に当行も高い収益性を上げられるようにする。「付き合って価値のある銀行」を目指したい。