2024年11月12日
群銀が過去最高益 貸出金利息増などで 9月中間決算▪上毛新聞(2024/11/12)より
群馬銀行(前橋市元総社町、深井彰彦頭取)が11日発表した2024年9月中間連結決算は、純利益が前年同期比54・2%増の229億1700万円と過去最高を更新した。本業のもうけを示すコア業務純益(投資信託解約損益除く)は、貸出金利息などの増加が奏功し過去最高を更新。同日開いた取締役会で増配を決議するなど株主還元策も強化した。
売上高に当たる経常収益は4・1%増の1107億5900万円だった。コア業務純益は、貸出金利息を中心とした資金利益の増加が人件費など経費の増加を上回り、11・6%増の261億8500万円だった。そのうちの非金利業務利益は3・8%増の132億5100万円。為替変動のリスクを抑えるデリバティブやビジネスマッチングの手数料などが利益を押し上げ、中間期として過去最高を更新した。
与信費用は1億1400万円。県内取引先の倒産発生件数は増加傾向だが、取引先1社当たりの与信額は5千万円未満が多く、費用は低水準となった。
金融再生法に基づく不良債権比率は0・24ポイント改善の1・45%、自己資本比率は1・19ポイント上昇の14・62%。
銀行単体の貸出金は個人への貸し出しや、再生可能エネルギー関連など特定事業に融資する「ストラクチャード・ファイナンス」などが伸び、5・7%増の6兆6010億円、預金残高は2・1%増の8兆2637億円といずれも中間期として過去最高を更新。単体の経常収益は3・9%増の933億9400万円、純利益は53・2%増の206億8700万円だった。
株主還元では、1株当たりの中間、期末配当を当初予想よりいずれも6円増配の20円とした。年間配当は過去最高の40円で、前期と比べ18円増配となる。配当と自己株式取得額を合わせた株主還元率は、50・9%を見込む。
深井頭取は会見で、25年4月から始まる3年間の新中期経営計画の最終目標として掲げる純利益500億円、自己資本利益率(ROE)8%の達成に向け、「スタートに向けて良い形を切った。達成可能性が増しているとの手応えを感じている」と述べた。