2025年1月8日
《インタビュー》群馬トヨタグループ 横田 衛代表(63) 居心地良い店舗目指す 新築移転、人材育成を推進・上毛新聞(2025/1/8)より
群馬トヨタ自動車のほか、ネッツトヨタ高崎から今月社名を変えたネッツトヨタGTGぐんまなどグループ6社を展開する群馬トヨタグループ(高崎市東町)。2024年3月期のグループ売上高は854億7900万円と過去最高を記録し業績を伸ばす。トヨタ車などの新車販売をはじめ、レンタルやリースといった幅広いモビリティーサービスを提供。変革期を迎える自動車業界で横田衛代表(63)は、車に関する相談がしやすい居心地の良い店舗づくりや人材育成に力を入れる。
―ネッツトヨタ高崎の社名をネッツトヨタGTGぐんまに変更した意図は。
本社は高崎市だが、全県下に店舗があり、狭義の社名になっていた。「ぐんま」を平仮名にして柔らかい雰囲気にした。GTGは群馬トヨタグループを表すほか、群馬に輝きをもたらす「Glow To Gunma」の思いを込めている。
―販売店舗の新築移転を複数計画しているが、狙いは。
販売エリアに無駄や不足がないかグループ全体の最適化に向け、設備投資を進めている。ガラス張りのショールームで車を見せるという従来のイメージから、車の相談をするための居心地が良く行きやすい店舗を目指している。イベントスペースを設け、ワークショップを積極的に開きたい。
―自動車販売を取り巻く環境をどう捉えているか。
電気自動車(EV)一辺倒の風向きは変わってきている。販売台数が伸びているハイブリッド車(HV)では、ラインアップがそろうトヨタ陣営は強い。
若者の車離れが進んでいると言われるが、群馬では感じない。車関係のイベントでは世代交代が進み、カスタムしたり凝った車に乗ったりして多様性が広がっている。
地域の利便性向上につなげるため、トヨタ自動車のカーシェアサービス「トヨタシェア」を進めている。専用アプリの登録で利用でき稼働率は高い。草津や伊香保の温泉街をはじめ、県内の駅前に広げている。
―職場環境の改善や人材育成にも力を入れている。
企業イメージを良くし就職先に選んでもらうことで地域に還元していきたい。エンジニアを目指す若者が減っている中、23年からウエアをつなぎから上下セパレートタイプに一新。個人の洗濯から会社でのクリーニングに切り替えた。技術向上や人材育成に向け、玉村町に研修施設を設けたほか、社外のモータースポーツ活動に参加している。
―今年の抱負を。
自動車を通して群馬の暮らしを豊かにするために好循環を生み出したい。車の購入は一過性ではなく、その後の付き合いが長い。類似企業が多い中で選んでもらえたらうれしい。
(林哲也)
【略歴】 よこた・まもる 1961年、高崎市生まれ。86年に群馬トヨタ自動車入社。同社やネッツトヨタGTGぐんまなどグループ6社の社長を務める。2021年に持ち株会社体制に移行。トヨタ自動車販売店協会(東京都)会長。