2025年5月7日
群馬銀行 初の女性執行役員 人的資本充実に注力 ジョブ型の採用・育成・キャリア支援・上毛新聞(2025/5/3)より

「人手不足が進む中で、働き方の柔軟性や採用における企画力が必要になっている」。群馬銀行(前橋市)で初めての女性の執行役員として4月に着任した達川英子氏(57)は、近年難しくなっている人材確保に向けた対応策の重要性を強調する。
長年人事部門に携わった。直近ではエネルギー関連会社のビーピー・カストロール(東京都)の取締役人事総務部長として人事、総務、セキュリティーといった管理部門の責任者を務めた。それらの実績を評価され、初めて外部登用による執行役員に就任した。
群馬銀は4月の組織改定で人事部を「HRマネジメント部」と名称変更し、役割を再定義。達川氏は部長に就き、昨年6月に導入したジョブ型人事制度に基づく採用や育成、キャリア支援などに取り組む。2026年春の新卒採用ではコース別採用を本格導入。ミスマッチがないよう、インターンシップ(就業体験)や面談で業務が想像できるよう工夫を凝らす。
「コロナ禍でオンラインの普及など働き方が大きく変わった」と実感する。多様化するキャリア形成に対応した中途や経験者といった採用の強化が人的資本の充実につながるとし、「長い職業人生の中で適材適所は大事。しっかりとした運用で人事戦略を実行していきたい」と力を込める。
20代の頃は「24時間働けますか」という時代。家庭に入ったり、社会人で大学院に通い経営学を学んだりした経験もある。現在は都内から本県に通う。働き方の選択肢が増える中で「(自身が)良いサンプルになると良い」とにこやかに話す。
父親は高崎市出身。山登りが趣味で群馬百名山を制覇し、ゴルフや温泉も好きだ。「少しでも早く慣れて役に立たないと」。謙虚な姿勢でなじみ深い新天地での貢献を誓う。
(林哲也)
たつかわ・ひでこ 筑波大大学院卒。1991年東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。2017年にライカマイクロシステムズ人事総務部長、19年にデロイトトーマツ人材機構マネージングディレクターなど人事部門の要職を歴任。4月1日から現職。東京都出身。