(株)ジーシーシー

勤務地
中毛
県外
業種
情報処理・ソフトウエア
コンサルタント
その他

2025年9月26日

保育所入所選考にAI 部署立ち上げ新事業に挑戦 ジーシーシー・上毛新聞(2025/9/25)より

創業60周年を迎えたIT企業のジーシーシー(前橋市上大島町、町田敦社長)は新事業に挑戦する部署「先進テクノロジー推進部」を立ち上げ、効果を上げている。強みとする自治体向けのシステム開発に加え、ほぼ未開拓だった民間向けも含めたビジネス展開を視野に入れる。
新事業の一つが保育所入所選考システム「ナサリーちゃん」だ。選考は各家庭の希望と各園の受け入れ条件が絡み合う煩雑な作業で、自治体の負担になっている。同システムは各家庭の条件を自動で点数化し、数秒で振り分ける。
同部のエンジニアが複雑な処理に対応する人工知能(AI)を独自開発した。自治体の負担軽減に加え、人的ミスがなくなるメリットも大きく、既に複数の契約を結んでいる。
担当執行役員の坂本博さん(52)は、振り分けの自動化ノウハウは異なるサービスにも横展開できるとみる。「物流や勤務シフト決めといったさまざまな作業を効率化できる可能性がある」と見据える。
乳幼児健診をサポートする「キャラクター面談サービス」は、子育て中の社員のアイデアから生まれた新サービスだ。通常の健診は保健師が子どもに質問して発達状態を確認するが、見ず知らずの大人に怖がってしまう子どももいる。
同サービスは画面に映した動物などのキャラクターが質問することで、子どもがリラックスして答えられる。AIが表情を読み取り健診を補助する機能もある。コミュニケーションを助けるツールとして、介護現場などに生かせる可能性もあるという。
経営企画担当執行役員の宮原瑞朗(みつあき)さん(48)は「生活総合企業を掲げ、社会全体に役立つ事業を模索したい」と強調。培ってきた開発力を基盤に、事業の裾野を広げたい考えだ。
(真下達也)

◆企業データ
1965年設立。資本金9千万円。従業員約750人。全国の3分の1に当たる650以上の自治体が同社のサービスを利用している。