㈱IHIエアロスペース

勤務地
西毛
業種
機械・金属

2024年3月28日

富岡事業所に本社移転 IHIエアロスペース 1日正式決定 宇宙開発支える ▪上毛新聞(2024/03/28)より

IHI(東京都江東区)の完全子会社の宇宙関連機器メーカー、IHIエアロスペース(同、並木文春社長)が4月に本社を富岡市藤木にある主要拠点の富岡事業所に移転することが27日、分かった。移転は1日に開かれる株主総会を経て正式決定する。

同社のルーツは1924年に設立された本県ゆかりの中島飛行機の発動機工場(東京都)。その後、日産自動車の宇宙航空部門として98年に富岡事業所が開設。2000年に石川島播磨重工業(現IHI)に事業譲渡され、アイ・エイチ・アイ・エアロスペースが発足。08年に現在の社名に変更した。
同事業所は同社唯一の生産拠点で、従業員約千人のうち950人ほどが勤務する。25年以上、宇宙関連機器の開発を手がけており、昨秋から本社移転の検討を進めていた。
宇宙開発を巡っては、今年に入って宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した探査機「SLIM(スリム)」の月面着陸、国産新型ロケット「H3」の2号機による目標の軌道投入が相次いで成功。IHIエアロスペースは同事業所で、スリムの姿勢を制御する小型エンジン、H3の打ち上げを推進する両脇の固体ロケットブースターを製造してきた。宇宙事業会社スペースワンに出資し、民間の宇宙開発も支える。
同事業所で「富岡ロケット祭り」を開くなど地域との交流を深めてきた。同社総務部は「本社を移転することで、群馬県、富岡市と一緒に発展していきたいという意思を明確に示したい。地域に根差し、今後の宇宙開発に貢献する」としている。現在の本社は東京事業所となる予定。