2024年9月26日
《SDGsカンパニー(52)》脱炭素で地域けん引 冬木工業(高崎市栄町)▪上毛新聞(2024/09/26)より
総合建設と鉄骨製造を展開する冬木工業(高崎市栄町)は、持続可能な社会の実現に向けた企業経営「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」を2022年11月から推進し、本県をけん引する環境先進企業を目指す。
最重要課題として取り組んでいるのが、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」だ。23年12月に玉村工場敷地内に太陽光パネルを設置するなど二酸化炭素(CO2)排出量の削減策を徹底。23年度の本社や各工場など全体の排出量は、前年度比約40トン削減した。
同年1月からは、建設現場における重機のCO2排出量の可視化に取り組む。同社の現場担当者が毎日、各重機の稼働状況を確認。1時間当たりの燃料消費率や稼働時間などから1日の排出量を算出する。また、産業廃棄物における排出量も算出。いずれも環境省などの資料を根拠としており、データを蓄積し、CO2や廃棄物を削減するために無駄のない効率的な作業の検証を進める。
同年2月にNTT東日本群馬支店(高崎市)、NTTDXパートナー(東京都)のNTTグループ2社とSX推進協定を締結。冬木工業が施工し8月に完成した有坂中央学園(前橋市)の高崎市内の新校舎では、柱や梁(はり)に製造工程でCO2の排出量をゼロとみなす日本製鉄(東京都)の鉄骨資材を活用した。他企業と連携しながら脱炭素化の取り組みを強化している。
大竹良明社長(64)は「地方の中小企業も率先して行動していかないと、持続可能な開発目標(SDGs)のような世界的目標は達成できない。社員一人一人の意識や行動が変わっていくこと、当社の取り組みが地域に少しずつ広がることが重要だと考えている」と先を見据えている。
【企業データ】1927年創業。資本金8千万円。従業員167人。働きやすい環境に向けて育休取得率は男女ともに100%。