2025年7月11日
《インタビュー》NEXUS 星野 万里社長(33) 世界レベルで知財投資 30周年、歴史踏襲し革新を・上毛新聞(2025/7/5)

パチンコホール「Dステーション」などアミューズメント分野を中核に幅広く事業を展開するNEXUS(ネクサス、高崎市島野町)は、7日に創業30周年の節目を迎える。1日付でトップに就任した星野万里社長(33)に抱負や今後の事業展開を聞いた。
―創業30周年を迎える。
父(敏代表)が1号店を出した時から会社の歴史や流れを見てきたので、とても感慨深い。会社の規模が大きくなったことで責任を感じており、身が引き締まる思いだ。一方で、会社が変革する転換点でもあるので、わくわくもしている。
―経営課題は。
ネクサスグループの2024年6月期の売上高は前期比14%増の3502億2200万円、店舗は直近2年で8店舗増え、68店舗(1日現在)。3期連続で増収だが、利益率は横ばいが続いている。収益性を改善し、利益率の高い筋肉質な組織づくりに取り組む。従来は市場シェアを取る戦略だったが、店舗を増やすことに強いこだわりはない。出店する場合は必ず収益性の高い店舗をつくる。既存店のスクラップ・アンド・ビルドも進めたい。
また、組織である以上トップダウンは必要だが、意見交換や議論の場はフラットであるべきだ。時代の変化に迅速に対応できる柔軟な組織を構築したい。
―人材育成の方針は。
現場で求められる基本的なスキルを担保する必要はあるが、立場に関係なくビジネスパーソンとして全体的な能力を底上げする。ビジネススキルを磨き、結果的に組織全体が成長する流れをつくりたい。幹部も含め社外から優れた人材を登用し、より良い人材が集まる会社にする。実力主義で能力と意欲のある社員はしっかり評価し、社員が成長できる環境を整えたい。
―33歳という若さでトップに就任する。
若さは柔軟性とスピード感という強みになるが、経験という点では弱さでもある。経営者には経験と知識に裏打ちされた判断が必要で、今後はその部分の成長が重要だ。私はアミューズメント業界ではかなり若い経営者で、若さを他の分野に生かすのはもちろん、若い感覚を業界に持ち込み、新しい発想での事業展開にとても興味を持っている。
―今後の事業展開は。
主に知的財産(IP)への投資を、世界展開を含めて進めたい。現時点ではテクノロジー関係を考えている。世界レベルでIPに投資することは、より豊かで、持続可能な革新的な未来をつくることにつながる。歴史を踏襲しつつもイノベーションを社内に起こし、新しい未来を紡いでいきたい。それが私のテーマでもある。
(中村穂高)
【略歴】 ほしの・ばんり 1991年7月生まれ。沼田市出身。沼田高―英ブリストル大―英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス。サミーを経て、2022年にネクサス入社。取締役を歴任し、1日付で社長に就任。