2024年3月30日
中央カレッジグループ高崎校 CO2排出ゼロの鉄骨、建て替え工事に採用 ▪上毛新聞(2024/03/30)より
総合建設事業や鉄骨製造を手がける冬木工業(高崎市栄町、大竹良明社長)、中央カレッジグループ(前橋市古市町、中島慎太郎理事長)、日本製鉄(東京都千代田区、橋本英二社長)は29日、同グループの高崎校3号館(高崎市栄町)の建て替え工事に、製造工程で二酸化炭素(CO2)の排出量をゼロとみなす鉄骨資材を県内で初めて採用したと発表した。
◎日本製鉄の製品 冬木工業が提案
使用するのは、日本製鉄が別の資材を作る過程で実際に削減した、CO2排出量を割り当てた鉄鋼製品「エヌエスカーボレックス ニュートラル」。第三者機関による保証を取得し、同社が証明書を発行する。あらゆる鉄鋼製品に適用でき、使用する事業者は、CO2排出量の削減に寄与することになる。同社は2050年のカーボンニュートラル社会の実現へ独自にCO2削減プロジェクトを進めており、昨年から同製品を販売している。
冬木工業は、22年11月から持続可能な社会の実現に向けた企業経営「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」を推進。高崎校3号館の建て替えを検討していた同グループに、SXの一環で同製品の採用を提案した。鉄骨造り5階建ての新校舎の柱や梁(はり)に同製品のH形鋼を使用、8月の完成を予定する。
日本製鉄の中西謙介厚板・建材営業部長(51)は「カーボンニュートラルを達成するために、CO2削減量を割り当てた製品を世界中に広めたい」と意気込む。
中島理事長(47)は「持続可能な開発目標(SDGs)の理解を深める教育を進めている。学生が環境について学ぶ機会になるだろう」と期待した。
大竹社長(64)は「CO2削減といった世界的な目標に向けて地域の中小企業の意識を高めることが必要。波及すれば大きな力になる」と語った。