㈱IHIエアロスペース

勤務地
西毛
業種
機械・金属

2024年4月18日

 富岡工場拡張を検討 「地域と連携、共に発展を」 雇用2割増の方針 IHIエアロスペース ▪上毛新聞(2024/04/18)より

4月に本社を東京都から富岡市に移した宇宙関連機器メーカー、IHIエアロスペースの並木文春社長(62)が17日、前橋市の上毛新聞社で取材に応じ、本県企業として「地域と共に発展していきたい」との考えを示した。同社は小型ロケット「イプシロン」の8号機から打ち上げ事業者となり、世界規模で需要拡大が見込まれる宇宙輸送サービスに参入する。事業拡大を見込み、今後3年ほどの間に富岡の工場拡張を検討し、雇用を2割程度増やす方針も明らかにした。

同社は1日、本社を唯一の開発・生産拠点だった富岡事業所(富岡市藤木)に移転した。従来から同事業所は宇宙、防衛、航空機エンジン部品の3分野の拠点として従業員の9割以上が勤務しており、並木社長は「実態に即した形で本社移転を決断した」と説明した。
名実ともに本県企業となったことを受けて「県内企業としての責任を果たすためにも、取り組んでいる事業内容を可能な限り発信し、地元との連携を強め、地域と共に発展していきたい」との姿勢を強調した。
各分野で事業拡大が見込めるとし、敷地内の空きスペースを活用して工場拡張を検討すると説明。「地元の優秀な人材を獲得したい。雇用を2割程度増やそうと思っている」とした。
特に宇宙分野では、イプシロン8号機以降の運用を宇宙航空研究開発機構(JAXA)から移管される。1号機からロケット本体の開発に関わっており、現在はコスト低減など国際競争力を高めるために改良を加えた7号機を開発中。移管後は小型衛星をロケットで宇宙に運ぶサービスに乗り出す。
衛星活用ビジネスは世界的に拡大しており、競争が予想される。並木社長は海外勢を「たくさんの衛星を乗せるツアーバスの団体旅行」と例えた上で、小型のイプシロンを使う同社の事業を「時期や軌道など顧客の要望をかなえるミニバン。小規模な顧客を対象にする事業のすみ分けを強みとしたい」と強調。当初は年4回の打ち上げペースを目標とし、徐々に増やしていく考えを示した。
同社のルーツは、1924年に設立された本県ゆかりの中島飛行機の発動機工場。旧富岡事業所は日産自動車の宇宙航空部門として98年に開設された。2000年に石川島播磨重工業(現IHI)に事業譲渡され、アイ・エイチ・アイ・エアロスペースが発足。08年に現社名に変えた。IHI(東京都)の完全子会社。国産新型ロケット「H3」の3号機で、打ち上げ推進のために必要な固体ロケットブースターなどの製造も担っている。