2024年5月10日
IHI 3月期 整備費など計上 純損失682億円に ▪上毛新聞(2024/05/09)より
富岡市に子会社を置くIHI(東京都江東区、井手博社長)が8日発表した2024年3月期連結決算(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益が前期比2・2%減の1兆3225億9100万円、純損益が682億1400万円の赤字(前期は445億4500万円の黒字)だった。
旅客需要の回復に伴い、主力の民間向け航空エンジン本体やスペアパーツ販売が堅調に推移した。一方、出荷済みエンジンの追加検査プログラムによる補償費や追加整備費を一括計上したことが、リコール処理に準じた扱いで売り上げや利益に影響した。
営業損益は701億3800万円の赤字(同819億8500万円の黒字)だった。1株当たり年間配当は前期比10円増の100円とした。
決算説明会では、太田市に工場がある連結子会社のIHI原動機(東京都)のエンジン燃費データ改ざんについて井出社長は「信頼を裏切ることになり深くおわびする。業績への影響が判明した際は速やかに公表し、再発防止に努める」と述べた。
25年3月期の業績予想は、旅客需要の回復や防衛事業の需要拡大に伴い、売上高を1兆6千億円、純利益を600億円と見込む。営業利益は過去最高益の1100億円とした。