NEXUS(株)

2024年7月18日

《パリへダッシュ 県勢に聞く》メンタル強化、金を取る 華麗な技、沸かせたい フェンシング男子フルーレ個人、団体 敷根崇裕(ネクサス) ▪上毛新聞(2024/7/18)より

―2大会連続の五輪出場が決まった。現在の心境は。
東京五輪では個人、団体ともに4位。メダルを逃してすごい悔しかった。次こそは自分の夢である金メダルを取りにいこうという気持ちが強いです。
―前回の五輪で個人、団体とも表彰台にあと一歩まで迫った。
ある程度の順位にいけたことで、自分の足りないところや甘いところが出た。3位決定戦ではガツガツいこうと考えていたが、丁寧さが欠けていた。集中力も足りなかった。
―日本は東京五輪の男子エペ団体で優勝した。どのように見ていたか。
悔しかったが、逆に燃えた。次こそは男子フルーレ団体が、僕こそがという気持ちになった。
―東京五輪からの3年間はどんな時間だったか。
勝つために必要なことを考えてきた。実戦形式の練習などでも勝ちにこだわり、アタックに自信を付けてきた。試合では、団体戦で戦えているのに、個人戦では一昨年、昨年と結果が出せず苦しんだ。僕の一番弱い部分はメンタル面だと気付き、強化してきた。
五輪出場のポイントレースが終わってからは気持ちが吹っ切れたように、5月に香港で行われたワールドカップ(W杯)で個人2位に入った。メンタルをうまくコントロールできれば、メダルを取れる力はあると感じた。五輪に向けて勢いに乗れた大会になった。
―昨年7月、世界選手権フルーレ団体で史上初の金メダルを獲得した。団体戦に懸ける思いを聞かせてほしい。
日本よりも安定して勝ち続けている国はある。その中で1年間で最も大きな舞台で優勝でき、日本も力を付けてきたと実感している。みんなが信頼し合い、少しのミスで崩れるようなチームではない。
自分の役割はポイントゲッター。失点を抑えながら、大量得点を奪う戦い方が求められる。フェンシングは相性もあるが、意識しているのはイタリアと米国。個人的には一度も勝ったことがない米国に五輪の舞台で勝ちたい。
―パリ五輪では個人、団体の金メダルを目標に掲げる。どんなフェンシングを見せたい。
前回の五輪は無観客だった。今回は華麗な技を決め、会場を沸かせたい。大勢の観客が盛り上がればうれしいし、それが僕のパワーになると信じている。本番に向けて、コンディションを整えていきたい。

しきね・たかひろ 1997年12月生まれ。大分県出身。東亜学園高(東京)―法大卒。ネクサス所属。東京五輪男子フルーレ代表。23年7月の世界選手権フルーレ団体で優勝、日本勢初の金メダル獲得に貢献した。5月のワールドカップ(W杯)は個人2位。

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