2024年9月18日
IHIエアロ 新工場を来春着工 富岡の本社敷地 隣接地取得も準備▪上毛新聞(2024/09/18)より
事業拡大を見込み工場拡張の方針を明らかにしていた宇宙関連機器メーカー、IHIエアロスペース(富岡市藤木、並木文春社長)が、2025年3月に本社敷地内で新工場の建設に着工することが分かった。28年中の完成を目指す。隣接地の用地取得に向け準備を進めていることも明らかになった。
同社は約49万平方メートルの敷地に宇宙、防衛、航空の各事業を展開。事業拡大を見据え、敷地内の空きスペースを活用してロケット用部品を生産する工場など複数の建物を3年程度かけて建設し、順次稼働する計画を立てている。
工場などの拡張によって敷地内に余剰地がなくなるため、さらなる事業拡大に備え、隣接する同市桑原地区の用地取得を目指している。今月11日に地元の桑原公会堂で住民説明会を開き、約30人と意見交換した。取得を検討する場所は山間地で、今後、地権者と交渉を進める。
担当者は「生産拡大に向けて対応できるよう工場などを新設する。将来を見据えた隣接地の取得に対し、関係者に理解を求めていきたい」と話した。
同社は本県ゆかりの中島飛行機の発動機工場(東京都)がルーツ。日産自動車の宇宙航空部門として1998年に富岡事業所が開設された。事業譲渡や社名変更などを経て、今年4月に本社を東京都内から、唯一の開発・生産拠点だった同事業所に移転した。工場拡張に伴い、現在約950人の雇用を2割程度増やす方針も示している。