2025年6月27日
品質、価格見極め仕入れ とりせん青果バイヤー 駒井隆志さん・上毛新聞(2025/6/25)より

スーパーを展開するとりせん(館林市)社員の駒井隆志さん(36)=桐生市=は、青果バイヤーとして全店の野菜売り場を担当する。品質や価格を見極めて商品を仕入れ、来店客が買い求めやすい売り場を作っている。生産者の畑にも足を運び、地域に身近なスーパーとしてより良い商品を提供する。
野菜の旬などに応じて、月単位で売り場のレイアウトを作り替えている。駒井さんは生野菜のほか、カット野菜や水煮も含め計200種類の商品を取り扱う。市場担当のバイヤーと連携して、前橋、館林、足利(栃木県)、宇都宮(同)の各青果市場から商品を仕入れている。
仕入れは産地と品質、価格のバランスを見極める。輸入品よりも国内産を重視するが、地域の人たちが毎日利用するスーパーだからこそ、手頃な価格が大前提という。安定して商品を仕入れられるよう、天気予報を欠かさず確認するなど生産状況にも気を配る。
仕入れ先の約20社と頻繁に連絡を取るほか、提携する生産者と信頼関係を深めるのも大切な仕事だ。ほ場の確認や生産状況の聞き取りなどのため、生産者の元に通い、顔を合わせるようにしている。駒井さんは「生産者と店、お客さまのそれぞれが価格と品質に納得できるようなウィンウィン(相互利益)の関係を築きたい」と強調する。
2011年に入社し、店舗の野菜・果物担当として現場で経験を積んだ後、20年から青果バイヤーを務める。60店舗以上の売り場を作る立場になり、店舗で培った売れ筋の見極めなどが今の仕事に生きていると感じる。「自分が良いと思って選んだ商品が売り場に並び、実際に手に取ってもらえるのが何よりうれしい」。旬を迎えた昭和村産のくろレタスをそろえながら、仕事への思いを日々新たにする。
(茂木勇樹)
【「若い力」からひと言】
バイヤーは仕入れるだけでなく、生産者とお客さまを商品でつなぐ仕事。生産者の思いを届け、食卓を作るお手伝いをしたい。